歯周病と心臓血管疾患~御徒町・上野・浅草の歯医者なら~松原歯科クリニック
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松原歯科クリニック院長 松原将人
本日は歯周病と心臓血管疾患についてお話します。
近年、歯周病は心臓血管疾患のリスクである可能性を示す研究が多数報告され、
歯周病患者はそうでない人に比べ、心臓血管疾患のリスクが
1.14~2.22倍になると言われています。
歯周病は歯周組織に歯周病菌が感染して起こる慢性の炎症状態を伴う病気です。
炎症が続く中で歯を支える骨の吸収が起こり、歯を失う大きな原因となります。
心臓血管疾患と歯周病は、両者とも慢性的な炎症状態を伴う病気であり、
歯周病が心臓血管疾患のリスクとなるメカニズムとして、次のものが考えられます。
①歯周病菌の内毒素や歯周組織で産生された炎症物質が血液に入り、
血管内皮細胞やアテローム中の免疫細胞を刺激して、
炎症性物質の産生が増加することで動脈硬化が進行する。
②歯周病菌が血小板凝集作用によって血栓形成を促進することで、
心臓血管疾患の発症を引き起こす可能性があります。
歯周病治療が動脈硬化を防ぐ?
血管の内側には血管内皮細胞があり、血管や血液の流れを正常に保つ働きをしていますが
動脈硬化の初期には血管内皮細胞が正常に働かなくなります。
そのため、血管を広げる力が弱まってきます。
最近、歯周病治療をうけることで血管を広げる力が改善するとの報告がなされました。
また、歯周病患者において、歯周病治療を行うことで、
動脈硬化の要因である炎症反応や、免疫細胞が抑えられることを生化学的に示し、
さらに臨床的にも頸動脈血管内壁の厚さが減少することを示した報告があります。
以上のように歯周病はお口の中だけにとどまらず、全身的な疾患に
深くかかわっていきますので、定期的なメンテナンスをしっかりと行っていくことが
重要になります。
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